石橋 2008 4 19

 投資家には、二種類の投資家が存在します。
A リスクを積極的に取り、勇敢に利益を求める投資家。
B 石橋を叩いて渡るような臆病な投資家。

Aのような投資家は、株式市場に多数存在し、積極的な性格でしょう。
Bのような投資家は、債券投資(国債や社債)を好む投資家で、慎重な性格でしょう。

 サブプライム金融危機が、ここまで大きくなったのは、
証券化商品を、「Bのような投資家」に販売してしまったからかもしれません。
 もともと、Bのような投資家は、臆病で、
石橋を叩いても渡らないような安全志向の投資家です。
 そういう投資家に対し、証券化商品を、
トリプルAという高い格付けで安心させ、
さらに、金融保険会社(モノライン)で保険まで付けて売ったことが、
事態を深刻化させていると思います。
 Bのような投資家は、もともと臆病で安全志向の投資家なのに、
サブプライム金融危機で、大きなショックと精神的なダメージを受けたと思います。
そういうわけで、サブプライムと聞いただけで、怯えるようになったのです。
現在の心理状態は、「羮に懲りて膾を吹く」という状態だと思います。
 そもそも、証券化商品を、「Aのような投資家」に売っていれば、
このような深刻な事態には発展しなかったと思います。
Aのような投資家は、もともとリスクを取るのが好きで、
リスクを取った結果、損をするというのは、日常茶飯事だからです。
 最も、Aのような投資家は、証券化商品を買わないかもしれません。
Aのような投資家は、常に株式市場で、生き馬の目を抜くような戦い、
あるいは、伸るか反るかの、だまし合いを繰り返して、猜疑心が強くなっていますので、
証券化商品を買わないかもしれません。
 おそらく、Aのような投資家は、トリプルAばっかりの金融商品には、
うさん臭く感じて、証券化商品を買わないかもしれません。
 何しろ、株式市場では、ある銘柄が高い格付けを得て、急騰したと思ったら、
次の日には、別のアナリストが低い格付けを付けて、急落するというのは、よくあるのです。
 だから、みんな、格付けというものは、あくまでも参考資料であり、
格付けを信じて損をした場合は、自己責任という認識で一致していると思います。
 そういうわけで、サブプライム金融危機で、格付け会社を非難していますが、
それは、株式市場の投資家には、奇妙に感じられます。
(注)
「羮に懲りて膾を吹く」
羮の熱いのに懲りて、冷たい膾をも吹いて食う(広辞苑)。
羮(あつもの) 野菜・肉などを入れて作った熱い吸い物。
膾(なます) 薄く細く切った魚肉を酢に浸した食べ物。
















































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